流行するインターコムと安全問題
大勢と一緒にツーリングするときに困るのがお互いの意思疎通です。
特に高速道路など止まることができない場所では、どういった進路をとるかについての話し合いができません。
そうしたときに非常に便利なのが「インターコム」で、ここ最近ライダーの間で急激に普及するようになりました。
インターコムはヘルメットの内部に装着して使用する無線型のマイクで、複数の機器を連携することで電話と同じように通話することができるようになります。
製品が人気となるにつれてどんどん高性能なものも登場してきており、スマートフォンと連携して動かすことができるようになっているタイプも出てきました。
iPhoneなどはSiriによる音声作動が一般的になっているので、誰かとの通話だけでなく一人で出かけるときにもかなり便利に使用することができます。
最も人気のある製品としては「B+COM(ビーコム)」があり、これは非常にコンパクトなサイズの製品をクリップ状にしてヘルメットにつけるだけで、ワイヤレスのスピーカーとして使用できる物です。
バイクの走行中に発生するエンジン音などにも邪魔をされない高性能アンプと高品質スピーカーを備えているので、音楽などを十分満足できるレベルで聴くことが可能です。
音楽だけでなくラジオやナビ音声にも対応しているので、今時のツーリングの必需品と言ってもよいほどです。
道路交通法ではグレーゾーン
2015年6月1日に道路交通法が改正され、そこで自転車に関する規定が非常に厳しく追加されました。
これはスポーツバイクなどスピードが出るタイプが一般に普及してきたということが背景なのですが、ここで特に注目をされたのが「危険行為」についてです。
一時期、ネットで「イヤホンをつけたまま自転車に乗ると捕まる」といった言説が流れましたが、実際のところ明確に「イヤホンをつけて乗ってはいけない」という規定があるわけではありません。
しかしながら「安全運転義務違反」という項目がついたことにより、音楽を聴いていて周囲の安全を損なってしまうようなことがあったときには、以前よりも厳しく処分をされることになります。
そこで考えられるのが「自転車はダメなのにバイクはいいのか?」ということです。
バイクについても、明確にイヤホンやレシーバーをつけて乗車してはいけない、という決まりがあるわけではありません。
ただし、それにより事故や危険な状態を引き起こしたときには問題になる可能性が高いと言えます。
都道府県によって対応が異なることもありますが、明らかに大音量で音楽を聴いているらしいバイクを見かけたら、職務質問などで口頭注意を受けることもあるようです。