Posted on

高速道路のジョイントとは

高速道路には「ジョイント」と呼ばれる部分があります。
高速道路は大きな橋をいくつもつないだ構造をしていますが、その継ぎ目の部分がジョイントです。

高速道路がそのような構造をしているのは、道路の主な原料である鉄筋やコンクリートの性質によります。
鉄やコンクリートは温度が変化に伴って伸縮するという性質があり、例えば100mの鉄の場合、温度が40℃変わることによって5cmほど伸縮するようです。

日本の夏と冬の温度差は、最低気温と最高気温を見ると40℃近くあります。
高速道路のような大きな橋をつなげた構造をしている道に、もし継ぎ目が全くなければ、寒暖差で起こる伸縮によって簡単に道が壊れてしまうことでしょう。

加えて、日本は地震大国です。
長い一本の道路であれば、地震の揺れによっても簡単に壊れてしまいます。
そのため、高速道路などは構成される大きな橋同士をピッタリとくっつけることをせず、間に小さな隙間を残すように設計されているのです。

しかし、隙間があると危険なので、隙間を埋めるためにジョイントと呼ばれるファスナーのような継ぎ目部分を作ります。
ジョイントは鉄やアスファルトの伸縮、地震などの揺れの際に隙間が狭まり、道路が損壊するのを防ぐ働きをします。

バイクだとスリップの原因になるので要注意

ジョイントは高速道路の構造上とても大切な部分になりますが、道路を走行する車やバイクにとっては邪魔な存在と言えます。
段差があるため通過する時に不快に感じることもそうですが、バイクにとってさらに危ないのはスリップの原因ともなり得るからです。

ジョイントは多くの場合、鋼製の材料で作られており、濡れると非常に滑りやすいです。
特にアスファルトと比べると摩擦の大きさがとても違うため、走行中にジョイント部分に触れたタイミングでスリップしてしまうバイクが多くあります。
バイクはタイヤも二本ですし、車と比べてタイヤが細いのでスリップしやすいのです。

雨の時には路面が濡れるためスリップしやすいですが、それ以外でも朝晩などに露が降りた時や雨の降り始めで、路面が濡れているように見えない時などもジョイントが濡れていることがあるので要注意です。
また、高速道路ではカーブにもジョイントがあり、特にスリップしやすいので注意が必要です。

高速道路のノージョイント化が進んでいる

現在ではジョイントを減らした高速道路の建設も進められています。
ジョイントがない道路であれば快適に走行することが可能ですし、スリップが原因の事故も減らすことができるというメリットがあります。
また、ジョイントの補修工事などの手間や費用も節約することが可能になります。

もちろん、全てのジョイントを無くすことは現在の技術では不可能でしょう。
それでも可能な限りジョイントを減らす努力が払われており、取り除けない場合にはジョイント部分にスリップ防止のための滑り止めを付けるなど工夫がなされています。